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福岡市の泌尿器科クリニック。なごみ泌尿器科クリニックです。

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〒810-0055 福岡市中央区黒門2-31 佐藤ビル2階

 尿路結石症

約7千年前のミイラに膀胱結石が発見されており、古代ギリシア時代にすでに膀胱結石の切開手術が行われた形跡が見つかっています。
尿路結石全体の80%はカルシウム含有結石(シュウ酸カルシウム結石・リン酸カルシウム結石)で、その他にはリン酸マグネシウムアンモニウム結石、尿酸結石、シスチン結石などがあります。しかし尿路結石の8割は原因不明と言われており、未だに十分には解明されていません。それ故に再発しやすいことが特徴で、わかっている原因としては、@尿中物質の過剰(カルシウム、シュウ酸、尿酸)、A結晶化の問題(マグネシウムやクエン酸など結晶化阻止物質の減少、アンモニアなど結晶化促進物質の増加など)、B腎・尿路の病気(尿路感染、尿流の滞りなど)、Cライフスタイル(偏食、水分不足、遅い時間の夕食)、Dその他(年齢、性別、遺伝(シスチン結石など)、気候(夏に多い)、ストレスなど)、などが上げられます。
尿路結石は近年増加傾向にあります。男性の7人に1人、女性の15人に1人は、一生に一度は尿路結石を患うと言われており、重要な病気の一つであると考えられます。

診断

病歴、尿検査、超音波検査、CT検査、静脈性尿路造影検査などが必要により選択され、これらにより診断を進めていきます。その中でも病歴は重要で、痛みの起こり方とその部位、尿路結石を患ったことがあるかなどを確認します。

治療

T.痛みに対する治療
 1.非ステロイド性消炎鎮痛薬
  腎機能障害がある方はその使用に注意が必要です。アスピリン喘息の方には使うことができません。
 2.ペンタゾシン
  副作用として嘔吐に注意が必要です。
 3.漢方薬
  芍薬甘草湯は早めの鎮痛効果が期待されます。
 4.その他
  薬で痛みがひかない時は、尿管に尿を流すチューブを入れるなどの外科的治療も考慮されます。
U.結石に対する治療
 1.ウラジロガシエキス、漢方薬(猪苓湯)などの内服薬
 2.体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
 3.経尿道的結石破砕術(TUL)
 4.経皮的結石破砕術(PNL)
 5.開腹手術
 6.腹腔鏡下切石術

予防

尿路結石の再発率は5年間で約40%で、そのほとんどが2年以内に再発したという調査結果があります。そのために再発予防は大変重要です。
T.水分を摂る習慣をつけましょう。
 水分をあまり摂らない場合や多量の汗をかいた後などは、尿が非常に濃くなり、結石ができやすい状態になります。汗をかく量にもよりますが、食事に含まれる水分以外に1日1,500mL程度の水分摂取が望ましいとされています(頻尿がある方は摂りすぎに注意が必要です)。なお水分は水やお茶(後にも触れますが番茶やほうじ茶が勧められます)などが適しています。「結石は夜につくられる」と言われるように、睡眠中の尿の濃縮と停滞が結石のできやすい状態となっているのです。水分は1日を通して平均して摂るようにしますが、特に夕食後は多めに飲むようにしましょう(夜間頻尿や夜尿症がある方は摂りすぎに注意が必要です)。
「結石はビールを飲んで出せば良い」という噂は正しいとは言えません。確かに尿量は増えますが、尿酸結石ができやすい状態となり、また痛みが増強する危険性もあるために注意が必要です。
U.規則正しい食生活の習慣を身につけましょう
 1.夕食はできるだけ早めに摂りましょう。
  食物の中に含まれるいろいろな成分は腸から吸収され、栄養分として様々な働きをしますが、体にとって余分なものは腎臓から尿中へ捨てられます。概ね食後4時間ほどで尿中へ多量に排出されます。したがって夕食後すぐに床につくと、結石ができやすい状態となるのです。
 2.食事は1日3回バランス良く摂りましょう
  ほとんどの方が、夕食にボリュームのあるものを摂っているのではないでしょうか?1週間の献立を予め作っておくなどして、バランスのとれた食事ができるように心がけましょう。
V.摂りすぎに注意が必要な食品
 1.動物性たんぱく質
  摂りすぎは結石を作る成分(尿中カルシウム、尿酸)を増やし、結石を作らせない成分(クエン酸)を減らします。また、尿酸が血液中に増えると痛風(足の関節が腫れて大変痛い病気)や、動脈硬化の原因にもなります。牛肉、豚肉、鶏肉は摂りすぎに注意しましょう。そして必ずサラダなどで野菜を摂るようにしましょう。
 2.シュウ酸
  結石の原因となるシュウ酸を多く含む食品としては、ほうれん草などの葉菜類、タケノコ、アスパラガス、豆腐、ココア、チョコレート、コーヒー、紅茶、お茶、バナナ、イチゴ、グレープフルーツ、ピーナッツ、アーモンド、カシューナッツなどが上げられます。また、お茶の中でも玉露や煎茶、抹茶にはシュウ酸が多く含まれていますので、番茶やほうじ茶が勧められます。
 3.塩分、脂肪、糖分の摂りすぎも、結石を作りやすくするので注意してください。これらは生活習慣病の予防にもなります。
 4.塩分に含まれるナトリウムは、尿に排泄される時にカルシウムを一緒に引きずり出す働きがあります。したがって塩分を多く摂ると尿中のナトリウムが増えるのと同時にカルシウムも増え、結石ができやすい状態になります。薄い味付けで結石を予防しましょう。
W.毎日摂りたい食品
マグネシウム、クエン酸、リン酸は、結石ができるのを防ぐ働きがあり、主に野菜や穀物に多く含まれています。しかし不足しがちな食物ですので、1回の食事に1皿以上は野菜料理を食べるようにしましょう。また、結石の成分となるカルシウムやシュウ酸は腸からも吸収されます。便秘気味の方は、繊維性野菜を多く摂り、便通を整えるようにしましょう。繊維性野菜は芋類(ジャガイモ、サツマイモ)、野菜類(ゴボウ、ニンジン、キャベツ、ピーマンなど)、果物類(ミカン、リンゴなど)、キノコ類(干しシイタケ、キクラゲなど)、穀物類(玄米など)に多く含まれます。
X.カルシウムについて
結石の大部分はカルシウムを含む結石ですが、カルシウムは骨や歯をつくる働きのほかに、筋肉の収縮を強める働きや、出血を止める働きなど、体内で数多くの大切な役割を担っています。以前は結石の患者様にカルシウムを摂りすぎないようにお話ししていましたが、日本人には不足気味な栄養分なので、摂りすぎている方以外は特に制限の必要はないと考えられます。ちなみに1日の必要量は600mg以上、1,000mg以下です。代表的な食品に含まれるカルシウム量は牛乳200mLで200mg、豆腐半丁で180mg、めざし5尾で375mgです。
Y.日常生活について
 1.健康維持のためにも、適度な運動をするように心がけましょう。
 2.ストレスと不眠に注意しましょう。
 3.約1年に1回の定期的な検診を忘れずに受けることが大切です。まだ結石が残っている方はもちろんですが、完全に結石が出てしまった方も再発する可能性がありますので、結石が小さいうちに対処できるようにしましょう。


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