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福岡市の泌尿器科クリニック。なごみ泌尿器科クリニックです。

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過活動膀胱

膀胱が勝手に縮んだり、過敏な動きをするために、尿が十分に溜まっていないうちに突然尿をしたくなり、我慢ができなくなる病気です。過活動膀胱には尿意切迫感(突然尿をしたくなり我慢することが難しい症状)が必ずあります。普通は昼間頻尿(起きている間に8回以上)や夜間頻尿(就寝中に1回以上)を伴いますが、切迫性尿失禁は無いこともあります。40歳以上の12.4%、特に70歳台では5人に1人、80歳以上では3人に1人が過活動膀胱を有していると言われています。
原因としては前立腺肥大症、子宮・膀胱・尿道などを支えている骨盤底筋群が弱くなることや神経の異常(脳卒中や背中の神経の病気)などが考えられています。しかし過活動膀胱の多くは原因が特定できません。

診断

質問表(過活動膀胱症状スコア:OABSS)を中心に行います。しかし過活動膀胱と同じような症状を来す重要な病気(膀胱がん、前立腺がん、膀胱結石、膀胱炎など)を見逃してはいけません。重大な病気がないことを、尿検査、エコー検査、血液検査などで確認します。
過活動膀胱症状質問票(OABSS)のダウンロード


治療

T行動療法
 1.生活指導
 減量により切迫性尿失禁が改善することが示されています。その他便秘の改善や、過度のコーヒー、アルコール、炭酸飲料、水分摂取を控えること等への有効性が示唆されています。
 2.膀胱訓練
 排尿を我慢することにより排尿間隔を延長させ、膀胱に溜まる尿量を少しずつ増やす訓練方法です。初めは5分ほどの我慢から開始して徐々にその時間を延長し、最終的には2〜3時間我慢できるように訓練していきます。
 3.骨盤底筋訓練
 腹圧性尿失禁に対して行われる訓練ですが過活動膀胱に対しても効果が見られます。膣や肛門を締めるようにしますが、その時に腹筋に力が入らないようにします。

U薬物療法
 1.抗コリン薬
 膀胱平滑筋のムスカリン受容体に作用することにより、膀胱の異常な収縮を抑えて突然の尿意や頻尿を改善します。副作用に喉の渇きや便秘などがありますが最近では副作用の少ない薬や貼付剤もあり、それぞれの患者様の病状や合併症を考慮して薬剤を選択します。
 2.β3アドレナリン受容体作動薬
 膀胱平滑筋のβ3アドレナリン受容体に作用することにより、膀胱の弛緩作用を増強させます。抗コリン薬に見られる喉の渇きや便秘の頻度が低いと言われています。
 3.その他
 過活動膀胱への適応はありませんが、頻尿症状などに対しフラボキサートや漢方薬などが使われることがあります。

Vその他の治療法
 1.電気刺激治療・磁気刺激治療
 電気刺激治療(干渉低周波治療)や磁気刺激治療は、電気や磁気により骨盤底筋群や神経を刺激するものです。尿意切迫感や切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁に対する有効性が示されています。保険適応がありますので、その範囲内での治療が可能です。
 2.ボツリヌス毒素の膀胱壁内注入療法
 薬物療法で改善が見られない切迫性尿失禁に対し海外で行われ、日本では現在治験中の治療法です。内視鏡を尿道から挿入して膀胱壁にボツリヌス毒素を注入します。ボツリヌス毒素が膀胱壁に注入されると膀胱の異常な収縮を抑え、突然の尿意や頻尿を改善します。
 3.仙骨刺激治療
 日本では2017年9月に保険適応となった治療法です。海外では以前から行われおり、薬物療法で改善が見られない過活動膀胱による切迫性尿失禁が適応です。臀部の仙骨孔から膀胱を収縮させる神経の傍に電極を挿入して臀部の皮下に電気刺激装置を埋め込み、電気刺激によって尿失禁が改善します。

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